ピグミー族をご存知でしょうか?
世界でもっとも平均身長の低い種族の人たち。主に狩猟生活を行い、多くが中央アフリカに住んでいる。
彼らの集落を訪ねてみた。かなり山深いところにある。近くの村でバスを降り、集落を案内してくれる人に連れてきてもらった。別の民族の集落の一角に彼らは住んでいます。泥でできた家や茅葺だけの家の中から人々がでてきました。たしかに大人でも150cm以下。酋長(キングと呼ばれていた)は140cmもない感じ。 僕を見ると、客人として迎えてくれ、キングの横に座らされました。と、挨拶をする間もなく楽器を売りつけてきたのに、少し驚き。いろいろ家を案内してくれけっこうきさくな人たち。
写真もどんどん撮れとうながしてくる。
集落で育てている大麻の葉を見せてくれた。病気の治療や儀式に用いるという。
子どもたちは半分が服を着ていない。つまりフルチンだ。おなかがポコンと飛び出て、みんなすごいデベソ。そして彼らのペニスに割礼を行った形跡が残っていた。まだ習慣があるようだ。
しかし、村人全体に漂う、無気力と無関心。この重苦しい感じはなんだろう。
狩猟民族とはいえ、周りの森はどこも保護区になっており、狩はできない。ほそぼそと食料を植えて、池で魚をとって暮らしている。体は小さいが、筋肉はたくましく、木陰から弓を引く姿が見えてきそうな彼らに、農耕生活は合わないだろう。さらに、政府や他の農耕民族からの迫害が行われた歴史もある。大人の男が、昼間から酒を飲んでいる姿が多々見られた。
ここは地元のNGOが生活をサポートしている。僕もNGOの案内人に1000円ほど払ったが、これが集落全体にいきわたる。しかし僕が来る前は2週間誰も 来ていない。もちろん周辺には働きに出るところもない。現在98人が暮らしているというが半数は子どもで、徐々に数は減っているという。さらにHIVの感染数も多い。これはピグミー族の女性とセックスをすると腰の病気が治るという俗信がいまだに残り、近隣の男性との無防備なセックスがHIVや各種の性病を広がらせている。病気なのだろうか、家の前のゴザで寝転がったまま起きない女性が数人いた。
生活、病気、子ども、大人、セックス、貧困。それぞれの垣根が無く、混沌として、むき出しのままさらけだしていた。ピグミン集落。
こんなことを考えていると、なんだかいたたまれなくなり、日本の踊りを見せようと、カチャーシーを踊ってみせた。すると何人かの大人と子どもたちが興味を示した。マンデラという酔っ払いのおじさんは、真似をして踊り、やたらと抱きつき、仲良しの挨拶の頭突きまでしてきた。
かばんの中からバナナチップの袋が入っていたので、みんなにあげようとすると、一気に歓声が沸く。くれくれくれー。大人も子どもも。どこにこんな元気があったのだろうかと思うくらいだ。
マンデラの制止を振り切って帰ろうと、みんなに手を振ったがほかのみんなはすでに僕に無関心だった。うーーん。
ちょっとほろ苦い、ピグミー体験。
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