2011年1月24日月曜日

ロボットカー・プログラミングコン テスト

 床に座ったり中腰の姿勢のまま、レースの行方を見守っている数十人の学生たち。どちらかのチームのロボットが勝つたび立ち上がり、ガッツポーズや会場中に響く歓声が腹に伝わってくる。

2010年10月、トゥンバ高等技術専門学校(TCT)で、ロボットカー・プログラミングコンテストが開かれた。TCTの情報通信(IT)学科と電子通信(ET)学科から成績上位の学生を集め、教員とともにロボットのプログラミングを作り上げた。このロボット、ライントレースカーと呼ばれ黒いラインを認識し、その上に沿って走るもの。学生たちはその制御プログラムを書き換え、レースでもっとも早く動くようにする。プログラムはスピードだけでなく、カーブでコースアウトしないようにする数値やコースの行き止まりから抜け出す仕組みなどを考えないといけない。授業の終わった放課後、限られた日数の中で、真剣に互いに競い合いながら作っていた。この試みは、普段の授業や実験では得られない、ロボットやプログラミングそのものへの興味を学生に持ってもらおうと、専門家が行ったものだ。学生の中には教員や我々より早くプログラムを書き換え、圧倒的なスピードのライントレースカーを作り上げたチームもある。

当日の会場はTCTの学生食堂。結構広いが人が集まるのか心配だった。数人のギャラリーでポツンとやることになったら・・。そこで自分が顧問を務めている学生サークルに人集めを頼んだ。不安だったが、彼らは期待以上に動いてくれ、司会進行やレースの合間に歌やダンス、さらには空手の実演まで。

もっとも盛り上がりを見せた終盤戦、会場は学生たちで大いににぎわっていた。勝ち上がってきたチームは、自分の作ったプログラムで走るロボットを真剣なまなざしで見詰める。レース中は静まり返り、一畳ほどのコースをキュルキュルと音を立てながら走るロボットの音が響く。差をつけて勝負が決まったかに見えて、最後のコーナーでコースアウトしてしまうチーム。接戦でほぼ同着ゴールの判定に真剣に文句をつけるチーム。すべてのチームとギャラリーが熱く沸騰していた。その気持ち、思い。いつか世界へ飛びたつ学生がここから出る予感がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿