2011年5月25日水曜日

美しく黒い肉体

日曜日、首都キガリでマラソン大会があったので参加してきた。ルワンダ政府とソロプチミストというヨーロッパ系の援助団体の主催だ。
http://www.kigalimarathon.com/CMSPage.aspx?lng=EN&content=103


当日はうすい雲が太陽を遮り、雨も降らずなかなかよいコンディション。
参加者は総勢2500人でルワンダ人とムズング(白人)がほとんど。


僕はマラソンというものは生まれて初めての経験にも関わらず、事前に練習もしない無謀な参加者。案の上、一緒に走った協力隊員の中でビリ。ハーフマラソン(20km)で3時間かけてなんとか完走できたけど、ひどい筋肉痛でいまだに足を引きずっている。


でも走ることは楽しかった。まったく知らない人とお互い励ましあったり、水を分け合ったり。さらに途中でもらう、ルワンダバナナのおいしいこと。


フルマラソンの結果はマラソン王国ケニアからの参加者が上位を占めたが、3位にはルワンダ人ランナーも。僕は走っている間、何回も彼らの背中を見送ったがその度に見惚れてしまった。


黒人ランナーの集団が駆け抜けるときの風、熱い息遣い、その黒曜石のように輝き引き締まった肉体。彼らはただのランナーだけでなく、美しく魅了する一塊の黒い肉体だ。


マラソンランナーだけではない。スコップを使い道路工事をしている、上半身裸のルワンダ人も引き締まっている。キブ湖の漁師もすごい。いや、普通の人もすごい。日本人なんか全くかなわない。野性味溢れるその肉体こそ、アフリカだ。

2011年5月10日火曜日

毒虫にやられた・・

朝起きたら顔がひりひりして左の頬が薄く赤く腫れていた。
なんだろうと思っていたけどたいして気にしていなかった。

ところが翌日に目を覚ますと、頬の半分が真っ赤に腫れてさらに水ぶくれが全体に広がっていた。鏡の前で、おもわず叫んでいた。「ぎゃー」。
ヤムチャ

あわてて山を降りてキガリの病院へ行くと、
「あー、これはヤムチャだね。」
「ヤムチャ?」
「寝ているときに、赤と黒の虫に触らなかった?」

ヤムチャだらけの天井
なんとなく覚えがある。てっきり蚊が来たものと思って叩いたけど、それがいけなかったらしい。日本にも生息するアオバアリガタハネカクシに触ったらしい。こいつは、体長1cmぐらいの蟻に似た虫で体が赤と黒の警戒色を持っている。体内に猛毒をもっていて皮膚に付いたらひどい炎症を起こし、別名やけど虫というらしい。キニャルワンダ語でヤムチャ。

この虫、ここ数日大発生していたのだ。窓の外には数百匹がうようよしていてのだ。しかもたった一匹でここまで酷くなるのだ。

医者からCetavlonという火傷の塗り薬をもらってガーゼをあてる。ルワンダ人は一目見るだけで、ヤムチャでしょとずばり当てる。それほどポピュラーらしい。生徒もヤムチャ、ソーリーソーリと言う。なんか恥ずかしい。

4日目ぐらいまでが一番酷かった。このまま治らないのかなあ・・、とちょっと不安に駆られた。
今日でとりあえず8日目、なんとか治ってきたけどまだ赤みが残っている。恐ろしい。

みなさん、ヤムチャには気をつけてください。

2011年5月2日月曜日

東日本大震災 慰霊碑

先週首都のキガリで、東日本大震災で亡くなられた方々の慰霊碑の前で、手を合わせてきた.


ムリンディジャパンというルワンダにあるNGOが、4/15-4/22まで被災者のために喪に服し、当日は慰霊碑の前に花を添えるセレモニーを行うというので参加させてもらった.NGOの敷地には多くのルワンダ人と協力隊員が集まった.



日本から遠いルワンダの地にいて、いままで震災に対して自分は蚊帳の外だなあと感じていた.
だけどこの日、慰霊碑の前でゆっくりと手を合わせ目をつぶり、被害に遭われた方の冥福を祈ることで、初めて日本人として東日本大震災に向き合えた気がした.



隣に座ったルワンダ人が、
「日本も津波で多くの人が亡くなった.ルワンダも虐殺でたくさんの人が亡くなった.私達は一緒になって、この気持ちを分かち合おう.」
と言ってくれた.僕の下手なキニャルワンダ語だから単純な言葉だけしか使えないけど、だからこそ相手の気持ちがよく伝わった気がした.



このNGOはルワンダの内戦などで障害を負った人に義足を作る支援をしています.主催者は吉田真美さんとご主人のガテラさん.1997年からルワンダを中心に活動を続けています.

ムリンディ・ジャパン ワンラブ・プロジェクト
http://www.onelove-project.info/index.html